L’英雄2015に参加してきました

毎年友達の応援に行っていたビンテージ自転車の祭典L’英雄、今年はついに参加してきました。

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Nikon Coolpix AW120
と言っても、ビンテージの自転車を買ったわけではなくて自転車仲間の人から昔のミヤタの自転車を借りて参加です。

まず、L’英雄について。L’Eroica(エロイカ)って名前でイタリアで行われているビンテージバイクで未舗装路を含むコースを走るイベントです。
自転車を始めて少しした頃にL’EROICAのページのこんな写真を見て
LEroica 「昔のレースは大変だなぁ」なんて昔の写真だと思っていたのですが、現代の写真だと知ってびっくりする。

そんなイベントが日本で行われると聞いて最初の年の2年前に応援に行ったら、まさにこのおじさんが現れる。

L'英雄

PENTAX K-3 + smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR
1900年頃の自転車でブレーキが効かないのか片方のペダルに枝を挟んで地面にこすりつけながら減速とか意味不明すぎで度肝を抜かれる。

なんて説明はこのくらい。
毎年参加している自転車仲間の人から今年は自転車を貸すからってことで参加のお誘いを受けたので喜んで参加しました。
残念ながらビンテージとか鉄の自転車を買ったわけではありません。

今回お借りした自転車のミヤタです。

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トゥクリップはさすがに無理なのでSPD SLに変更しているのが無粋でしょうか。

で、この自転車を持って前夜祭会場に持っていたのですがミヤタが出展していて、この時代のミヤタの担当者の人たちが来ていたのですがこの自転車は色々気になるところがあるみたいで色々調べられる。

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「この時代の製品は全部担当していた」とか「シリアル番号がJから始まっているから輸出モデルだ」とかなんとか言いながら調べ始める。結局シリアル番号の記録を調べて連絡するとかって今回貸してくれた持ち主と話していました。

さて、この前夜祭はめずらしい自転車のオンパレード。
コルナゴのタンデム自転車なんてあったんだね。てか、それが日本にあるってなんだよ。

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もちろんイベント参加者で夫婦で走られていました。途中ハンドルあたりにトラブルが発生したみたいでした。

初期の変速装置カンビオコルサ。

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Nikon Coolpix AW120
カンビオコルサと聞くとマセラティのセミオートマを思いますが、そうではなくて1930、40年代くらいのカンパニョーロの変速装置のこと。ギア比が変わるとチェーンの長さを変える必要があるので、クイックリリースを延長したレバーで走りながらクイックリリースを緩めて(!)ホイールを前後に動く状態にして、もう一本のレバーで変速。またクイックリリースを戻すとか。最初に見たときは「なんで変速のタイミングで写真が前後に動くんだ?」なんて思ったのですがやっとわかったかな。(詳しくは調べてください、雰囲気しか理解していません)。
理屈はわかったのですが、実走の様子を見るとよく乗っているなと驚くばかり。

こちらは一本のパリルーベ。

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しょ、詳細は調べてください。

まぁ、こんなイベントなので飲みながらみんな自転車の話をしてくれるのですが、ほとんど分からない。聞けば聞いた以上のことを教えてくれるような感じ。「その頃のカンパはブレーキとは言わずにスピード・コントローラーと言っていて…」マニアックな知識ばかり増えていく。

そんな中、ミヤタの伝説的な「沼さん」って方がミヤタの昔の話が始まる。

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今回借りている自転車と貸してくれた本人の自転車の2台が展示される。
「SPD SLなんかつけててすいません」と恐縮の極み…

で、ミヤタの話は鉄砲を作っていたミヤタが銃身を作る技術をもとに国産初の自転車を作った話から始まる。

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Nikon Coolpix AW120
「お、おぅ」って反応しかできないくらい昔の話。

「話は現代に」って言われて出てきた写真がこれ。

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Nikon Coolpix AW120
エディ・メルクスの現役時代の頃の話で全然現代じゃなくて仰け反る。
まぁ、その後はいろいろ当時の話をしてくれたんだけど、帰り際に当時の自転車のファンで未だに乗ってくれていることをすごく喜んでくれて、とても素敵な光景が繰り広げられていました。

この後は宿に戻って1時くらいまで飲み…

さて、肝心のイベント当日は見事な快晴。

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Nikon Coolpix AW120

縦型と横型のリアディレイラー。てか縦型でも珍しくもなんともない世界。

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Nikon Coolpix AW120

コースはスタート直後に謎の未舗装路&激坂があってみんな自転車を押して登っていましたけど、坂馬鹿は坂で足を着いたら死ぬので足をつかずに意地で登りました。そこからはもう人いたミヤタユーザの方と一緒に走る。

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Nikon Coolpix AW120
ただ、ゴメンなさいよしかわはミヤタの自転車のこと全然わかりません。

天気も良く富士山も見えて本当に走っていて気持ちいい。

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Nikon Coolpix AW120

ミヤタの自転車が3台並ぶ。

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こんな感じで楽しいところもあるのですが、一番最初の写真ような林道があったり、砂利道があったりとなかなかスリリング。
今回参加したのはミドルライドで未舗装路はほとんどないと聞いていたのですが、結構未舗装路。一緒に来ていた女の子は「きゃーきゃー」騒ぎながら走っていましたけど、途中から押していました。砂利道のくだりとかただただ怖かった。

エイドステーションのお食事。60キロなのでこんなもんで十分ですけど、もうちょっと食べたかった。

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Nikon Coolpix AW120

エイドステーションでイタリアから参加した人がパーツについて語り合っている様子。何をはしていたかは分かりませんが、こんな風に語り合う様子は万国共通で面白い。

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Nikon Coolpix AW120

レースではないのでコースの横に牧場なんかが現れると撮影タイム。

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そんな感じで60キロを6時間くらいかけてのんびりライド。
天気も風景もよく、またコースも普通の自転車イベントでは味わえない体験ができて楽しめました。

そうそう、ミヤタについて。
少しは他のクロモリの自転車を乗ったことがあって、そのときは結構BB周りがグニャグニャだったりする物もあったのですがミヤタはそんなこともなくダンシングで普通登れる。ただ、やっぱりダブルレバーはSISがなくても変速は出来るのですが、慣れていないので変速時にアップ、ダウンを間違えることが度々ありました。ただアウター×ローでもチェーンが鳴らないように微調整できるのはいいかも(か、買いませんよ)。

最後のクロージングセレモニーでは審査員がいいとみなした自転車のオーナーにカリフォルニアや本場イタリアで行われるL’Eroicaに参加できる権利なんかが当たっていました。

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Nikon Coolpix AW120
写真の方は前日一緒に飲んだのですが、高校時代に乗っていた自転車で一緒に来ていた奥さんが「あの自転車どうするの?」って言っていたのが、あるときから綺麗にして今年初参加とか。で、見事に表彰されていて奥さんも涙目でなんかいい物を見させてもらいました。

すごく楽しいイベントだったのですが、来年出るかと言われると鉄の自転車がないんですよね…
今から白々しくビンテージの自転車を買うよりも知人のフレームビルダーに作ってもらって一緒に年を取っていくほうがいいよなぁ…なんて思ったりもするのですが先立つ物もなく…うーん。って感じです。

ヨシカワ ブログ