データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

最近読んだ本の中で「データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則」がなかなか面白かった。

データの見えざる手

著者は日立の研究所でウェアラブルセンサーなんかの研究をしている人の話なのですが、2006年から左腕に1分間に20回の記録を行う加速度センサーが内蔵されたウェアラブルなセンサーを24時間365日付けるようになったところから話が始まります。

「腕がどのくらい動いたか」ただそれだけのデータなのですが、このデータを長時間付けづけること、そして被験者を増やしていって大量にデータが増えてくると、人の行動は各自の自由意志で行動しているはずなのですが、センサーの示した結果は一定の法則に従うと言うこと。

ビッグデータなんて言葉を使われる前からGoogleが「CPUの性能の向上させ複雑な計算をさせなくても、大量のデータがあれば分かることがある」なんて事を言っていて「へー」なんてアホ面で聞いていたのですが「ヤバい経済学」だか「ヤバい統計学」(同じくらいの時期にある意味似たような本を読んだのでどっちがどっちだか覚えていない)を読んで、相撲の勝ち越しのかかった千秋楽の取り組み結果と次回同じ取り組みの結果から八百長を分析してみたり、ポアンカレが1キロのパンを1年買い続けて正規分布を調べてパン屋の不正を暴いたりとかって話を読んで少し意味が分かってきたんだけど、この本はもっと刺激的で、人間の活動を分析してみたらある程度物理法則に慕うことに気づく。
説明とかを読んでいて、化学大好き物理が苦手なよしかわですが「うーん、その解釈はそうだっけ?」なんて思うところもありますが、とりあえず一定の法則に従うのはデータが示しているのでいろいろ活用は出来そうです。

そしてこのセンサーを用いて行動と幸せの関連についての話では「幸せは加速度センサーで測れる」なんて熱く書かれています。すこし視線が遠くをみすぎていて心配になったりもしますが、色々な人が同じようなことを今後調べてくれればいろいろ分かってくるかと思います。

また、加速度センサーと赤外線センサーを内蔵した首掛け型のセンサーをつかって誰とあって話をしたかという人間関係を可視化して人の行動やいわゆる運などについても切り込んでいます。
非常に面白かったのですが、先ほどの「幸せ」や「運」などの定量化しにくい話についてデータから読み解くって話はとても面白いく、新たな地平を開こうとしている分野なのか面白いけど「鵜呑みにしたら怖いかな」って慎重になりつつ読んでいました。

そして、これらのセンサーを使ってお店の店員とお客に取り付けてもらって集めたデータをもとに、専用の人工知能コンピュータを使って解析をしたところ、まったく理解出来ないところに店員を配置すると売り上げが伸びるという著者もまだ説明がしにくい結果、ある意味コンピュータの容赦のなさが出ていて面白い。

センサーが小型化して色々な物に埋め込んで様々なデータの測定が可能になったことと、データを大量に集めて解析するビックデータの組み合わせが新たな地平を開きつつあることを垣間みることが出来てITに関係がない人でも必読の本だと思います。


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