T家の転回を実際に見てきた!
2018年の東京藝術大学の卒展で衝撃を受けた持田敦子さんのT家の転回。一度現物を見てみたいと思っていたんだけど、一般公開のスケジュールと合わなくていくことがかなわなかったんだけど、やっと今年はいくことができました。
ここのところ東京藝術大学の卒展に行くようにしています。基本的に面白いものが見たいってのが大きいのですが、毎年1、2名くらい刺さるアーティストがいます。現代なのでホームページもしくはSNSで発信をしているのでフォローするようにしています。
で、たしか2018年の卒展でぱっと見よくわからない映像を展示していた持田敦子さんのT家の転回には衝撃を受けました。というか単純にすごいのと面白い。
THE REVOLVING HOUSE OF T. (2017) from atsuko on Vimeo.
映像を見ての通りなのですが、家の真ん中をまん丸にくりぬいて回転出来るようにしています。ゴードン・マッタ=クラークのSplittingと似ているような気が一瞬するのですが、こちらは動かしている。そもそも全然意味はわからないけど、ただただ衝撃的です。てか、院生とはいえ学生の卒業制作の枠を飛び越えたインスタレーションですよ。
ホームページのWorksを見ると「壁」とか「Push The Wall」とかよしかわに刺さる作品だらけですごい人を知った感がすごかったです。
で、2019年の一般公開日がちょうど予定も空いているので予約をして行ってきました。
水戸芸術館でトークイベントとセットなので話も聞いたんだけど、日本画を専攻していたって話を聞いてまた驚く。そして先ほど挙げた「壁」が大学時代の卒業制作ってのも訳がわからない。
そのほか話もいろいろ興味深い話があったんだけど、そのあたりは割愛。
水戸芸術館から一緒に歩いて問題の作品まで歩いていく。本当になんでもない住宅街にある家。
なんか唐突に現れてびっくりします。
当たり前ですが近づいてみると実際に丸く切られています。
作者曰く「真ん中に釘を刺して紐をつけて円をかいた」とか。まぁ、出来るのはわかるけど本当にそうなのか。
スタート時はこんな感じで普通の外観。
それをみんなで「せーの!」って押すと回ります。動画だと滑らかに動いているように見えますが実際は人力なんです。最低でも二人くらいいないと回せないらしいです。さらに構造自体が決して強いものではないので押す場所が指定されます。
このくらい動かすのも一苦労。さらに構造物自体のガタガタという音以外にもいろんな音がします。
てか、この回転部分はそこをみると滑車で動かしているという乱暴さ。でも実現への熱い想いは伝わりました。
外から回転する様子だけでも衝撃的なのですが、家の中も生活動線無視で家の構造体が巡ってくるのでものすごい体験です。違和感しかない。まぁ、本来の作りを無視して回転させているから当たり前ですよね。
数日前にタレルの光の館に泊まったというのもあって、この「T家の転回」も宿泊できればすごく面白うとか思ったり。ただ、途中に書いた通り一般の住宅街に唐突にある家。というか当たり前ですよね、作者の祖母の家なんだから。そんな住宅街な上に作者にとってもとてもプライベートなものなので宿泊は難しのかな。
他に移築するか、同じ家を建てて回転させても面白そうとか思ったりしました。
それはともかく、念願の作品が直に体験できてとても楽しかった。