自転車の盗難対策としてAlterLock(オルターロック)を導入した

Sigfoxを利用した自転車の盗難対策システムAlterLockが登場したので導入してみました。
※2015年5月にリライトしました。

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AlterLockの盗難対策

まずAlterLockの盗難対策は次の3つの機能があります。
  1. 振動検知による盗難アラート
  2. スマートフォンへの盗難通知
  3. GPSとSigfoxを使った追跡
これだけ読むともっと廉価な紛失防止タグでいいような気がします。一般的と言うかよしかわが知っている紛失防止タグはBluetoothを利用するのでBluetoothが届く範囲(10数メートルくらい?)でしか動作しません。対してAlterLockは広域通信の一種Sigfoxを利用しているためかなり広域で利用が可能です(Sigfox サービス提供エリア)。

1.振動検知による盗難アラート

これはAlterLockの加速度センサーか何かが振動を検知するとアラート音を鳴らしてくれます。
これだけ読むと「普通に乗っている時の振動は大丈夫なの?」って思うかもしれませんが、スマートフォンアプリの設定でガード(監視)状態を切り替えることができます。
もっとも、ガード状態へ切り替えを忘れるのが怖いのですが、これもちゃんと対策があって「オートガード」って設定があります。
このオートガード設定をオンにするとAlterLock本体とBluetoothでペアリングしたスマートフォンとのペアリングが切れた状態(要は自転車から離れた状態)になると自動的に盗難検知モードになってくれます。戻って来れば盗難検知は自動的にオフになります。

2.スマートフォンへの盗難通知

ガード状態の時に振動が検知されるとスマーフォンへ通知が届きます。Sigfoxの通信を使ってスマートフォンとBluetoothのペアリングができない距離とか屋内にいてもスマートフォンが圏外になっていない限り通知が届きます。

3.GPS追跡

それでも盗難された場合ですが、AlterLockにはGPSが搭載されているのでAlterLockの位置を検出してSigfox経由で送信してくれるのでスマートフォンのアプリでAlterLockの現在地が確認できます。

よしかわ的には現時点では理想的なソリューションだと思いますが、一点注意が必要です。
Sigfoxという広域通信を使う関係で月額利用料が発生します。とはいえ利用料は月額390円または年額3900円なのでそれほど高価だと思えません。

あと、当たり前ですが充電が必要です。マイクロUSB端子から充電して。フル充電すると1ヶ月半ほど使えるようです。

さて、取り付けてみました。
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本体はボトルケージの間に挟んで取り付けを行うのでロードバイクでダウンチューブ、シートチューブの形が特殊なものでなければ取り付けは可能かと思われます。ただよしかわが使っているBMC SLR01はボトルケージの位置が目一杯下がっているのでこんな風にボトルがあたります。
BMC Teammachine SLR01

底までボトルが刺さらなくなったのですが、石畳を走るわけでもないのでいま所は問題は出ていません。

あと、このAlterLock自体を外されてしまっては意味がないのでモノタロウで「いたずら防止ネジ」の中から適当なM5の20mmのネジと対応ビット、ドライバーを買って取り付けました。出来れば上下別のネジにして面倒臭さがます状態にしておくと良いかもしれません。
発売前に予約者に対して「盗難防止用ボルトの取付は後日案内します」なんてメールが来ていましたが、現在(2019年2月時点)のところサイトに案内がないので自分で対策をした次第です。
2019年4月からはAlterLock取扱店で盗難防止ネジでの取り付けをしてくれるようになったようです。

また、防水防塵性能が一応IP66となっていますが、マイクロUSBのコネクタがむき出しになっているのでmicroBコネクタ用 保護キャップを購入してつけておきました(発売前にサイクルモードで確認したら蓋はなくても問題ないとの話でした)。

本体に取り付けをしたら、今度はAlterLockアプリの設定です。
AlterLockアプリで自転車の写真、シリアル番号、防犯登録の情報を基本的な情報として登録。次に本体とBluetoothでペアリング後にアプリから本体の動作設定を行います。オートガード以外の設定はとりあえずデフォルトのまま使っています。
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先ほども書きましたが、オートガード設定をオンにするとAlterLock本体とBluetoothでペアリングしたスマートフォンとのペアリングが切れた状態(要は自転車から離れた状態)になると自動的に盗難検知モードになってくれます。戻って来れば盗難検知は自動的にオフになります。

が、認識までタイムラグがあるのかトイレに行った後に自転車を動かしたら検知されてAlterLockに怒られました。意図せず動作チェックすることになってしまいました。もちろんアプリを確認すると自転車の位置情報も取得されていました。
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このオートロックは便利そうなのですが、家に帰った後にオンになっているのは好ましいような好ましくないような悩ましいところ。というのも家で自転車を置いてある場所の横に本棚があるので、たまに家族が自転車の位置を動かしたりします。そんなタイミングでAlterLockが反応してもめんどくさい。ってことで現在は家に帰るとAlterLockのオートロックはオフの状態にしています。これは同時に走り出す前にオートロックをオンにする必要が出てくるのでちょっと面倒です…ってこれは個人的な運用の話ですね。

最後にAlterLockを導入しておいてなんなのですが本質的な疑問として、これって自転車が盗まれて、AlterLockのGPSで自転車の場所がわかったとして、それが誰かの家だった場合はどうしたらよいのでしょうか。
個人で突撃なんてできるはずもなく、もちろん警察に自転車の被害届けを出すのは当然なのですが「ここにあります!」と訴えても警察が動いてくれるの?とか色々疑問があったりします。インターネットを調べると色々体験談が出てきますがどの程度信用していいものかわからないので判断ができない状態です。これについては実体験がないのでわかりませんし、できれば実体験はしたくはありません。
理想はAlterLockのアラーム音がなったところで諦めてもらえたら幸いかなと思っています。


おまけ

そもそもの話として「Sigfoxって何?」ってのをすっ飛ばしています。最後に気が向いた人に読んでもらえればと書いてみます。ある程度の知識はありますが、Sigfoxのエンジニアではないので誤りがあるかもしれないので軽く読んでください。

Sigfoxは現在広まっているLPWANと呼ばれるLow Power Wide Area Networkの略で低消費電力で広域通信ができる通信方式の総称です。数年でいくつかの規格が登場していてSigfoxはその一つ。他にはLoRaWANとかNB-IoTなんて規格があるみたいです。
IoTなんて言葉がもてはやされて、いろいろな機器がIP通信をできるようになったのですが、機器というか目的によってはそんな大量なデータを流す必要はなくって、求められているのは通信速度は遅くても電力消費が小さくて遠くまで届く通信規格だったりする分野があったりするわけです。
実際にあるかはわかりませんが、すぐに思い浮かぶ利用例としては監視系のデバイス。河川の水位とか。1日何度かの水位測定、例外的に危険な水位になった時に通知が来ればいいなんて用途に向いているといえば分かりやすいでしょうか(例なので河川の水位確認はそんなゆるいものじゃない!とか真面目なツッコミはしないでください)。

一般的な製品だとルイ・ヴィトンのEchoてなデバイスがあったりします。スーツケースのロスト・バゲージがあってもどこにあるか追跡ができるようです。

同様に自転車の盗難時に機器に問い合わたタイミングでGPSから現在位置の情報が帰ってくればいいだけなので使い道としてはピッタリ。自転車よりも小さい子のカバンに入れておけるデバイスとかがあってもいいかとおもいます。ひょっとしたらすでにあるのかもしれません。

似たような製品でBluetoothを利用した紛失防止デバイスがありますが、これはBluetoothが届く範囲しか意味がなくて、運良くアプリを入れた人が近くを通ったら分かる…って感じ個人的には使い物になるのか非常に疑問だったりします。一部のデバイスが交通系インフラと協力を始めたのでカバンとか小物なら良さそうな未来が見えてきた感があります。ただ自転車はちょっと違うかなと。

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