Pinarello F7ファーストレビュー

Pinarello F7が納車されてからいろいろあってあまり乗れていなかったのですがやっと500kmほど走ったので感想を書いてみます。

Pinarello F7

前提条件としてよしかわはそんなに試乗会に行くわけでもないのでここ10年で乗っていた次の2台が比較対象になります。
TIME NXR INSTINCT BlackLabel(2012年〜2018年)
ベクトランという振動吸収素材を編み込んだカーボンが特徴。快適で良く走る。
BMC Teammachine SLR01(2018年〜2023年)
ツール、世界選手権を制したSLRシリーズの3世代目。デジタル趣味レーションで生まれたおかげか全方位隙がない感じ。あ、エアロはダメだ。

まずはPinarello F7の現在の構成はこんな感じです。
  • 車体:ピナレロ F7(サイズ53)
  • ホイール:WH-R9270-C50
  • タイヤ:MICHELIN POWER CUP 28c→25cに変更
  • サドル:SELLE SMP COMPOSIT
  • ペダル:PD-R9100

最初に、なぜかタイヤの話。
納車当時MICHELIN POWER CUPの28cをつけていました。この状態で大きな欠点はないものの乗っていてつまらない。高いお金を出して買ったとはいえつまらないのを我慢して乗るのも精神衛生上よくないのでフレームを変えようかと思ったのですが「タイヤが太すぎのでは?」と思ってBMCにつけていたMICHELIN POWER CUP 25cと交換。ついでにチューブもブチルチューブからRideNowのTPUチューブに変更しました。なおノギスで測ったタイヤの実寸幅は28cで29mm、25cで27.9mmでした。この変更をしたら見違えるように動きが軽快になって楽しい自転車になってくれました。
タイヤの幅が1mm程度の変更ですがトレール量とかの変化が大きいのでしょうか?もしくはタイヤが28cの240gから25cの215gと25gx2とチューブがブチルの155gからTPUの27gなので128gx2で合計足回りが300g計量化された影響でしょうか…

なお、以下の感想は25cに変更後の話だと思ってください。

いきなり欠点。
これはとにかく重量。これまでのBMCが7.3kgちょっとだったのがPinarello F7は7.7kgくらいです。Pinarelloに軽さを求めていなかったのとディスクブレーキ化で重量増を覚悟していたのでまぁまぁ優秀ですが、現代のディスクロードでこの価格帯だと重い。その代わりBMCがとにかくカーボンが薄くて指で押すと凹む感じがあったりして心配だったのですが、そこはしっかりして安心感があるので輪行も気楽にできそうです。

ただ走った時に重さを感じるかといえば特に感じません。またバッテリがBBの下に設置されていたりボトルケージの設置位置が低くなったりと重いものがBB周りに集中したおかげかダンシングをした時の振りが異常に軽くて最初はダンシングのリズムが取れませんでした。


乗り心地というか振動吸収性はリア周りはTIME、BMCと同等か少し劣るくらいでしょうか。タイヤが太くなって空気圧も最近は5barくらいにしてこの感想なので乗り心地については悪くはないけどよくもないと言ったところです。
TALON ULTRA LIGHT

フロントは写真の通りごついTALON ULTRA LIGHTなる一体型ハンドルが剛性感の塊みたいなのですが、不思議と長時間乗っていても手が痺れたりしません。こう見えて振動吸収性がいいのか、Pinarelloのアイコンとも言えるONDAフォークが良い仕事をしてくれているでしょうか。

続いて駆動周りの剛性、ペダルを踏んだ時の反発感は特になくてBMCと変わらないか少し優しい感じです。固いフレームを試乗すると長時間踏み続けるのは無理だと感じてしまうような力の逃げないような感じはありません。しかし力が逃げて進まないような感じもなくよく進んでくれます。走り出しの軽快感などは目立つものを感じませんが比較対象のBMC SLR01が異常に軽快なのでその辺りを差し引くと一般的には軽快なんだと思います。
またシューズがSpecializedのS-Works 7とか硬いシューズを履いているせいもあってBMCは乗っていると足の裏が痛くなることが多いのですが、いまのところそれもないので長距離も楽そうな気がします。

ハンドリングは普通でした。ピナレロハンドリングなんて聞いていたのでどんなものかと思っていたのですが、高速域でも下りで60キロくらいまでの範囲ではTIME、BMCとの明確な差はいまのところわからず。
ちなみにTIMEからBMCに乗り換えて少ししてからTIMEに乗ったら漕ぎ出しもハンドリングも「おや?」って思うレベルで挙動がスローな感じがしたのですがPinarelloとBMCは乗り換えてもそんな感じは特にありません。

ヒルクライムは筑波山の不動峠でPRが出て驚くなど。
実際登っていてBMC比較で数百グラム増加を特に感じることはありませんでした。ヒルクライムって重量も重要ですが、結構剛性とペダリングの相性も重要だったりするのでBMCより少し駆動周りの剛性が低いのがヨシカワの走り方にあっているのかなと。
そう思うのは以前にWH-7850-C24 TUってなチューブラーの超軽量ホイールを買ったことがあるのですが、このホイールを使ってヒルクライムをするとタイムが落ちるんですよね。ホイールだけでたしか300、400g軽量化されていたのですがホイールが柔らかすぎたようです。いま思えば回すペダリングとかだと良かったのかもしれません。


地味に困るのは一体型ハンドルと薄くて前後長の長いシートポストです。
ハンドル周りに何かをつける、シートポストにテールライトをつけるとかをしようとするとまず一般的なものが使えません。ゴムで止めるとかはゴムの長さが足りないことがあります。この辺りについては長くなるので別途記事にします。

ここからはフレームの話ではなくシステム的な変更について。

まずはリムブレーキからディスクブレーキへの変化。
ブレーキの効きは明らかに良くなりました。以前乗っていたBMCはホイールにSHAMALL MILLEというリムが特殊加工されたホイールで普通のリムブレーキと比較しても良く効いたのですが、それと比較しても良く効きます。
自転車のブレーキの性能はタイヤのグリップ力に依存するのでそんな差は出ないと思っていたのですがディスクブレーキはブレーキレバーの軽さ、もちろん効きが確実なのもありますがコントロールのしやすさやのせいで圧倒的によいです。
ただ、よく言われるようにダンシングの時などにディスクとブレーキのパッドが擦れる音がすることがあったり、高い速度が出る下りで一気に減速してブレーキで速度をコントロールしながらコーナリングなんてシーンではディスクかパッドの温度が上がるみたいで途端に「ぎゅぃんぎゅぃんぎゅぃん」ってなんか盛大な音がしたりとイマイチなところも多いです。
ブレーキをSWISS STOPのCatalyst RaceってディスクとEXOTherm2ってパッドの組み合わせにすると良くなるとか読んだので交換のタイミングで変えてみようと思います。高いけど耐久性が高いとのことなのできっとトータルコストは低くなるはず。
あとスルーアクスルは実際使ってみるとホイールがずれて固定されることがありますね。固定後にブレーキパットと少しするような音がすることがあるので意図的にホイールに力を少しかけて斜めになるような状態でスルーアクスルを固定すると音がしなくなります。これ、極めてわずかでしょうがスルーアクスルとホイールの穴との間にある遊びの範囲で斜めに固定されているのでしょうか?

続いてはアルテグラの8000シリーズから8100シリーズへの変化
アルテグラ 変速スピードはとにかく速くなりました。フロントが速くなったのはわかりやすいのですが、リアの変速の速度アップは地味ながら変速はリアの方が多いので恩恵が大きい。ダンシング中の変速みたいな乱暴なことをしても8000シリーズに比べてもサクサク変速してくれます。
あと、STIレバーの変速ボタンの段差が大きくなってボタンの差はすごくわかりやすくなりました。しかしDi2に乗って5年目くらいになるのですがフロント変速のボタンがいまだにどっちがどっちかわからなくなります。機械式では迷うことがなかったのですがどうしてもDi2のフロント側の変速ボタンが慣れません。

最後にWH-9270 C50
初めての50mmハイトのホイール。これまではWH-9100 C35の35mmハイトまでしか体験したことがありませんでした。まずはディーブリムディープリムになったので巡航速度が上がることを期待したのですがそれほどの変化はなくてがっかり。平均ペースは1割も上がらず。たしかに40キロくらいまで速度を上げるのもつらくは無くなったのですが、その速度域で走り続けられるなんてことはありませんでした。変身ベルトをつけても変身はできないのですちゃんと鍛えろということでしょうか。
最大の問題は横風。WH-9270 C50は横風の影響を受けにくいとレビューを読んでいましたが、初めての50mmハイトでさらに冬の強風の江戸川サイクリングロードとなるとメチャクチャ影響を受ける。まぁ、体を斜めにしながら走る状況のことを言っているので年に数日しかないのですが辛いです。そこまでの風が吹いていなくもハンドルを切るタイミングで「おっと」って感じでハンドルがチョロチョロと動きます。40キロとかで巡航できる人にはいいホイールなのかもしれませんが、ヨシカワ的にはC36の方が良かったのかもしれません。
ただ春以降は風の影響を受けないのとメインで走るコースがかなり速度を出すコースに変化するので印象が一変するかもしれません。

といった感じでリムブレーキのBMCからディスクブレーキのPinarelloへの乗り換えはすごく良くなったと感じるところはブレーキくらいかな、何か極端に悪くなったと感じるとこはありません。強いてあげれば重量。ディスクロードに乗り換えてがっかりすることが多いという話を聞いていたのですが、さすがにディスクロードの完成度も上がってきたというとでしょうか。BMC SLR01からロードバイクという大きな括りでは5年の進化、UCIの新レギュレーションフレームのメリットはいまのところ感じられないのは残念だったりしますが、楽しく乗れているのでよしとします。それよりもディスクに移行したことで安心してホイールに投資できるようになったのでWH-9270のC36かMacvicのSLR32を買おうか悩んでいます。あんまり悩んでいるとまた価格が上がるので思いのほかすぐに買うかもしれません。

ひとまずこんな感じで次は1000キロくらいのタイミングで何か書きたいと思います。

ヨシカワ ブログ